史跡御所野遺跡は岩手県北西部の内陸山間部に所在します。この地域を縫うように北に流れる馬淵川右岸に位置し、川が形成した谷底平野から上がった標高約190~200mの中位段丘に立地しています。
そこは広いところで幅120mほどの平坦な台地であり、東から北へ弧状に500mほど続き、台地上の平坦面は約6haの広がりを持ちます。
また、周辺にはケヤキやブナ林が茂り、クリ、アケビなどが実り、縄文時代を彷彿とさせる豊かな自然環境が残っています。
長年に渡る発掘調査の結果、縄文時代中期後半の大規模な集落遺跡であることが判明しています。集落は東、中央、西の3群のむらで構成され、それらの中央には環状列石、共同墓地、掘立柱建物からなる祭祀遺構が確認されています。
これらを踏まえ、本史跡の保存・再生・活用に当たってのテーマは以下の通りです。
史跡御所野遺跡および周辺地域に広がる、縄文時代を中心とした歴史環境やそれを育んできた豊かな自然環境と竹細工などに象徴される、現代に脈々と受け継がれている地域文化との共生による新たな一戸文化の創造を目指しています。