緑水庵は主屋部が明治32年(1899年)に建てられ、既に100年以上が経過し老朽化が進んでいるが、その歴史的価値を継承しながら改修することによって、今まで以上に、茶室としてまた文化的な活動の拠点としての再生を目的として計画しています。
一方、これと一体である良覚院庭園は後世の改修が伝えられるものの、その作庭年代については、庭内に残る手水鉢の紀年銘(享保3年・1718年)からも緑水庵よりも更に古い可能性が推測されています。
また、良覚院庭園の由来ともなっている伊達藩の庇護を受け、修験地であった「慈雲山祈泉坊良覚院」が存在した土地としての歴史性は慶長7年(1602年)までさかのぼることが出来ます。
これらの歴史的価値は現在仙台市で管理する他の茶室、仙庵(昭和46年・1971年建築)や六幽庵(平成3年・1991年建築)には無く、貴重な歴史遺産です。
高層ビルに囲まれた街中に残る自然豊かな歴史遺産として、また、日常的にも市民に親しまれる文化的活動の場として、保存・継承を目指しています。